普段MLB選手を作成する際の基準のようなものを書いてみました。
どの能力もきっちり線引きをして決めているわけではなくその時々の選手から受ける印象で査定しています。データはあくまでも自分の受けた印象を伝える際のツールといった立ち位置です。
目次
参考資料
- Baseball Savant
みんな大好きbaseball savant。個人的にはMLBのデータサイトの中で最もオススメ。打球速度やスプリントスピード、送球速度など具体的な数字もも掲載されており、その数字がMLB全体でどの程度かも一目で把握できる点が非常に便利。
また各種統計データも読みごたえがあり、暇つぶしにももってこい。オススメは数ヶ月前に追加されたFielding Run Value。
- FanGraphs Baseball
savantと双璧をなすMLBデータサイト。こちらはsavantとは違いほぼ表でデータが掲載されている。
こちらでは主に守備走塁面でのデータが見やすい。また場面毎のデータ(対左、得点圏など)もこちらが見やすい場合がある*1。
- Baseball Reference
savant、fangraphsときたら次はこれ。基本的な成績はもちろんのこと、ニックネームやSNSの情報まで掲載されて点はユニークと言える。
…が個人的にはフォントと目の相性が悪いのか、少し見づらく感じるので利用することは少ない。最近使ったのは新人資格の有無を調べたくらい。
- Brooks Baseball
投手作成でよくお世話になるのがこのBrooks Baseball。球速のデータに関してはsavantをも上回ると個人的には思っている。
savantでは打席結果毎の最高球速を調べることはできるが、打席途中に最速を出していた場合は本来の最高球速が出てこない。このbrooksでは全投球の最高球速が掲載されているので本来の最高球速を調べることができる。またゲーム毎やイニング毎の球速や投球データもみることができ、成績の変化の要因を推察できたりもするので見ていて楽しい。
難点はデスクトップ用のサイトしかないためスマホからだとかなり見づらいことと、やたら重いこと。またデータがない選手もそこそこいたりする。検索する場合はサイト内で検索するよりも、検索エンジンで選手名+velocity(速度)で調べた方が早い。
あまり見るところもないが一応。誰でも編集ができる都合上情報の信憑性は怪しいと言われているが、それでも名前の綴りくらいは正しい。
- 選手名鑑
愛用しているのはスラッガー社のもの。ロースター選手はもちろん、チームの特色も紹介されているのでMLBを見るなら持っておいて損はない一冊。
巻末の用語集も見逃せない点。K%やBB%の評価基準はこの本のものを参考にしていたりする。
注意点としてはMLBは選手の入れ替わりが激しい+そもそもの人数が膨大であるため、目当ての選手が掲載されているとは限らないことと、表紙は意外と固いので油断していると指がスッパァァといかれること。
主にフォームや変化球の確認用に。そこそこ有名な選手はハイライト集が作られており、当初の目的も忘れて見続けることも多かったり。
また野手ではヘッドスライディングをしているかどうかを確認するために見ることも。
その他必要に応じてネット記事等を読んだり。
投手査定
※括弧内はそれぞれS=Baseball savant、F=FanGraphs Baseball、B=Brooks Baseball の略。太字は主に利用しているサイト
- 球速 (S,B)
mphからkm/hに直して四捨五入。MLBあるあるの4-seamerよりsinkerの方が速い場合はsinkerの最速を採用。
- コントロール (S,F)
BB%・BB/9で判断。先発投手は数字そのままに決めることが多いが、リリーフ投手の場合は投球回とホールド数(=登板シチュエーション)によって抑えることもある。
- スタミナ (S,F)
先発投手の場合、平均投球回で判断。平均5回前半でC、6回前後でB、7回以上でAくらいの感覚で決めている。ただしコントロールが高い投手はAAとかだと見栄えが良すぎるのでBに抑えることもある。コントロールが高い=無駄なボール球が少ない=ちょっとスタミナ下げてもいいよねって話。
リリーフ投手の場合は登板数と投球回で判断。登板数=投球回の場合をE中盤に設定して、登板数の方が上回れば下げ逆ならば上げていく。
- 変化球 (S,B)
変化球査定で見ているデータは速球や他の変化球との球速差、縦横の変化量(inch)、打席別の投球割合など。ただしデータで球種を決めても実際の投球を見て覆すことはよくあるのであくまでも参考程度。
・Slider
Sliderで採用するのはスライダー・Hスライダー・スラーブ・Vスライダー。Hスライダー・スラーブはここでは割愛。
Vスライダーは横変化が少なく、空振り率が高い場合につけることが多い。特に抑え投手にこの傾向が強い。抑えは落ちる球投げとけばええ。
最近流行りのスイーパーは同変化量のスライダーより球速を下げ、変化を大きくしたオリ変で対応。↑スライダー・スイーパーを投げ分ける投手はSliderの山が2つになりやすい。画像はアイザイア・キャンベル(SEA)
・Changeup
Changeupで主に採用するのはHシンカーとSFFの二つ。MLB投手が投げているChangeupとされている球種はスライダーよりやや速く、利き腕側に沈んでいくものが多い。そのような球には大体Hシンカーをつけている。
同じような球速でも横の変化が少ない場合はSFFにしている。
↑MLB投手大体こんなん。画像はルイス・カスティーヨ(SEA)
たまに遅いChangeupを投げる投手もいるので、その際は素直にチェンジアップを採用している。SFFほど速くもなくチェンジアップほど遅くもない球は、SFFの球速を落としたオリ変やフォークをつけることもある。
・Sinker
武器として使えていると感じたり、縦の変化が強い場合はシンキングツーシームまたはそれベースのオリ変で再現*2。
対して投げている球種のひとつと感じたり、ツーシームを加えると4球種になる場合は第二ストレートのツーシームファストで済ませることが多い。
ストレートよりシンカーの方が速い投手も多いので、オリ変を使える時はできるだけ使いストレートと同速を出せるようにしている。
まとめるとこんな感じ↓
・変化量について
投球割合・被打率・Run Valueを参考に調整。データを元に変化球同士での優劣を決めてから変化量を割り振っていくようなイメージ。総変化量は10程度を目安にしている。
野手査定
- 弾道 (F)
基本はGB/FBで判断。本塁打数でも調整はするが、あまり大きく変えることはない。
- ミート (S)
基本は対右投手打率から。.280=Cくらいでそこから.020刻みでランクが変わっていくイメージ。
ただしミート=当てる能力とも言え、運悪くアウトになっている可能性もあるのでxBAも見ながらの判断。
- パワー (S)
打球速度から。他の指標を用いる際は本来の数字を参考にしているが、打球速度はパーセンタイルで判断することが多かったりする。
基本は打球速度を中心に見ているが弾道や本塁打数によって上下することもある。*3
- 走力 (S)
sprint speed(ft/s)のみで判断。「○○ft/s上がると走力が○上がる」といった厳密な決め方はしておらず、そこそこふわっとした基準。ただし、盗塁や二塁打数などの他の要素によって決めることはほぼない。
- 肩力 (S)
内野手(1B・2B)・内野手(3B・SS)・外野手・捕手で分けArm strength(mph)で判断。Arm Valueやポジション毎の平均値、そもそものイメージ等によっても上下する。
- 捕球 (F)
順番が前後するがまずは捕球から。捕球は単純にFielding Errorの多さで決める。失策にはThrow Errorも含まれるが、そちらは送球ランクの範囲だと思うので捕球を決める際には除きたい。
外野手はそもそもの失策数が少なめなのでUZRのErrRも、一塁手はスクープの数も参考にしている。
- 守備力 (S,F)
野手の基礎能力で一番悩むのが守備力。個人的には守備時の全ての動きに補正をかけるような能力と思っているので、走力・肩力・捕球を決めた後に考えたいところ。
一番参考にするのはUZR。DRSやOAAも少し見たりする。
内野手はDPR(ダブルプレー)・RngR(守備範囲)を中心に、外野手はRngRで判断。RngRを見る時は走力も加味する。これは足が速い選手は範囲も広くて当然だよねという理由から。特に外野手では落下地点を把握しているのか、把握はしてないけど走力で補っているのかはRngRの数値だけではわからないので。
捕手の査定は正直かなり難しい。一応DRSは出ているがリード+フレーミング+盗塁阻止での評価なのでそのまま当てはめられるかは微妙なところ。一応savantでは送球時の球の持ち替えのタイムなどを見ることができるのでそのあたりで判断している。
長くなりすぎたので特殊能力は次の機会に!